会長・副会長挨拶


会長
石井良昌
海老名総合病院 歯科口腔外科部長
 

 当研究会は、前会長の若林秀隆先生(医師)と前副会長の小山珠美先生(看護師)が中心となり20083月に 「神奈川摂食嚥下リハビリテーション研究会」を  設立しました。私は20142月から2代目会長として会務を担当している石井良昌(歯科医師)です。


  摂食嚥下障害によって、誤嚥性肺炎や窒息、脱水、低栄養状態なども引き起こし、生活する上で大切な「口から食べる楽しみ」が失われるとQOL(生活の質)も低下することになります。
最近では要介護状態にさせないことすなわち健康寿命延伸・元気に生きるためには、口から食べることはもちろんのこと、適切な栄養を、適切な状態で摂ること、そして口から食べる機能を低下させないことも大切なこととわかってきました。
 
「神奈川摂食嚥下リハ研究会のあるべき姿」として、
地区別の活動や地域連携が充実すること、摂食嚥下リハに取り組む医療・介護の人同士が顔の見える交流が深めること、摂食嚥下リハの質を向上させること、より多くの摂食嚥下障害患者に食べるチャンスを作れること、を考え活動をしてきました。
 当研究会では、神奈川県を8地区(横浜北、横浜南、川崎、横須賀、湘南、県央、相模原、小田原)に分け、その地区に様々な職種を世話人として配置し、地域での研修会の開催や医療介護連携を行ってきました。県全体としての活動として研究会世話人が関連する嚥下相談窓口をホームページに公開し、嚥下・NST連絡票を作成し運用するなど、嚥下障害の患者さんやご家族の方が安心してシームレスに(継ぎ目なく)嚥下リハや治療などを受けられる仕組みづくりを展開してきました。しかし、県全体へ横の広がりがみられていないなど課題も多くありました。そこで「神奈川のみんなで行う食支援」という価値観(バリュー)を旗印として各地区での活動を横に広げる活動も展開すること、すなわち市民への積極的な関わりとして
市民公開講座相談窓口の開催を行うこと、そして各地区にある嚥下食レストランとの連携を強めていきたいと考えています。
 活動はコロナ禍で約2年間停滞しているものもありますが、世話人それぞれが自律的に活動し、「できるだけ口から食べること」を支援できる研究会となるように活動していきたいと思います。


副会長

宮下剛(言語聴覚士)

森田病院(相模原市)

認定言語聴覚士(摂食・嚥下領域)

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士

 

【神奈川県にお住まいの方へ】

 当研究会では、飲み込みに関する相談ができる施設を掲載した、嚥下相談窓口の一覧表を作成し、地 域に向けて発信・配布をしております。

病院に行くべきか分からない、飲み込みに不安がある方はお気軽に地域の相談窓口にご相談ください。

相談窓口は当研究会ホームページから地域別に見ることができます。

 

【介護・医療・福祉関係者の方へ】

 当研究会は、摂食嚥下に関わる医療・介護職を対象とした”個々のスキルアップ”を目的とした研修を企画する一方で、”地域”における課題の共有、地域資源の開発や活用も視野に活動しています。

摂食嚥下障害にある人、その人がその人らしく生活するには、その人の地域における、日常の資源が重要です。

 地域資源には地元の医療介護関係者、関連団体や行政機関だけでなく、一般の飲食店や配食サービスも含まれます。

また、一般市民による摂食嚥下障害への意識向上も地域の自助・互助という観点からも地域資源となるでしょう。

一個人、一組織だけで解決できない摂食嚥下障害の課題、悩みについて、会員ではなく世話人として、受動的ではなく能動的に、自身と地域の資源向上を共に考える会でありたいと思います。

 地域の皆様、世話人の皆様、よろしくお願い申し上げます。

 


副会長

飯田良平(歯科医師)

ヒューマンデンタルクリニック(横浜市都筑区)

日本摂食嚥下リハビリテーション学会 評議員

 

 生まれながらに食べる機能に問題のあるお子さんや、脳卒中、パーキンソン病などで食べられなくなってきた方、また癌の終末期など、そうしても口から食べることが困難になる時があります。たとえしっかりとした食事として食べることができなくとも、わずかなひと口であったり、愛情に満たされた一口には美味しさや喜びが得られることもあります。

 本会にはそのような気持ちを持って支援を行っている医療や介護の方々がたくさんおられると思います。

 ご家族や利用者様において食べることの障害について悩まれている方は、地域の相談窓口に相談されてみることも良いかと存じます。そしてこのような研究会が継続されるためには、各地域の世話人の方々の尽力と協力があってこそと思います。

 超高齢化社会も迎え、口から食べられない方もますます増えていきます。

「神奈川のみんなで行う食支援」の活動が次世代につながるように、英知を結集していきましょう。

本部役員として、各地区の連携や神奈川県全体の活性化を図るために精一杯、努めて参ります。